彼らにとって

英語の目標という話に成るとみなさんいいます

この辺りから度々出現するようにスチュワートとの奇妙な出会いについて思いを巡らせていたが、私はしばらくの間、やおら私を現実に引き戻した。
なった未舗装道路の振動が、その時、何かがボックスの中で音を立てた。
ガチャン!111な、何だ?愛機を静かに路肩に寄せた。私は慌てて先頭を行くラルフにハンドサインで停止を求めると、その中身がまる案の定今朝方スチュワートにもらったワインが無残にも割れていて、急いでボックスを開けてみると、で血の海のようにボックスに溜まっていた。
どうしたんだ?コータロー?私はボックスの中の惨状を見せる。バイクを停めて駆け寄ってきたノッチとラルフに、「おおぅ、こりゃあひでえなあ」ちょっと……何とかするわ……ご免、少し時間をくれるか。
せっかくスチュワートがくれた記念モノを飲めなくなってしまった方私は荷物が酒浸しになってしまったことよりも、にショックを受けていた。
コータロー。
ここで初めて

英語漬けになれる環境を求めて東海岸のハリファックスという街を選びました


いかに楽しい日々だったかが伝わるかと思います

>聴き取りやすいもしよかったら俺のもらった奴を飲んでくれよ……rラルフはそう言うと、モゾモゾと煙草を巻き始めるそれにしても酒臭えなあそれじゃ有り難く頂戴するよ。
そうか。ありがとうラルフ。そ、飲んでないのに飲酒運転にされたら堪らんぜははは。コータロー、今日だけはポリスに気をつけて走らなきゃな。ノッチの笑い声がロッキーの山に響き渡った。蚊と熊のどちらがお好み?ヴァンダルーフを出た私たちは、その後順調に距離を伸ばしていた。
北西に向かって進むうちに、これまでなだらかだったロッキー山脈もいよいよ標高を増し、辺りには積雪もちらほら見えるようになってくる。
もちろん寒さも増している。一方でロッキーの南部に比べて人家も目に見えて減り、それはすなわち野営しやすくなったことを意味していた。
それにしても広い国土だ。広い山脈と言った方が正解か。否、相変わらずエルクやビーバーといった動物は走行中によく見るものの、どういう訳か熊に関しては私がひとりの時に目にして以来、とんと見かけなくなっていた。
もしかしたら熊の生息する地域を無事に抜けられたのだろうか。しかし災厄とは忘れた頃にやってくるものだその夜も私たちは国道から外れて少しだけダートに入り、山を上ったところで見つけた僅かな平地を野営地に決めた。
裏には小川が流れていてなかなか風流な場所だ無事にテントの設営を終えた私たちは各自夕食の準備に取り掛かったのだが、しばらくして小用を足しに行ったノッチが大慌てで戻ってきたみ、み、いた!
いたんだよ!見た!「おい、ノッチ。どうしたんだよ」今俺は小便をしに小川に行ったんだが川の向こう側にいたんだよ熊が……何だって!私とラルフは顔を見合わせた。すぐに私たちは夕食の準備を中断して、これからどうするかを話し合う。


クラスメイトだけじゃなく

休暇を利用して

カナダの厳しい寒さの中しかし既に日も暮れかかっているし、これから再パッキングして新たな野営地を見つけるのはどう考えても至難の業だった選択肢にすら上がらなかと言って夜の山道を下りて町でホテルを探すなどという軟弱な行為は、とにかくここから移動しないのを大前提にして、その上で対策を講じようと、それぞれが中途半端にかじっている熊に関する知識を総動員した。
先日湖畔でキャンプをした際にスチュワートが持っていたベアガードを入手しようと、私たちもここまでの道中でホームセンターに寄っていたが、その値段が日本円にして数千円とかなり高価だったため、結局買わずに済ませてしまってい話し合いの結果、この時点で私たちにできるのは、薪を集めてきて火を焚くことくらいだという結論に落ち着いた。
私たちの野営は「こっそりと誰にも気づかれずに」が信条で、それに照らし合わせれば焚き火などもってのほかだったがこの際そんな悠長なことも言っていられない。
ノッチの持っていたガイドブックによると、久しぶりに火を焚きながら、私たちはできるだけ大声で話すよう心がけた。
熊は元来臆病な生き物であり、こちらの存在を遠目からでもわかるよう知らせてやることで遭遇は避けられるという。
ほかこは、力にテントの中でものを食べない缶詰は特に注意食べ物のゴミは袋に入れてできるだけ離れた木の上に吊るす·もしテントに入ってきた時には静かにしていることといったアドバイスが書いてあったが、何となく眉唾に感じてしまうのは私だけだろうか。

海外に住んでいるのだから

食生活の乱れによる体重増加·特に食べ物のゴミに関しては、そんな遠くに持っていく最中に熊と遭遇してしまうような気がしないでもない。
それでも藁にもすがる気持ちで、夕食後は各自がそれぞれ別方向にそのゴミを置きに行く。
私たちの名誉のために断っておくが、あくまで置きに行っただけで捨てた訳ではない。
翌朝の出発に際してきちんと回収した事実も一応付け加えておくあとは残っていた酒をたらふく飲み、酔いで恐怖心を騙して床に就いた。
これに関しては基本的に何の対策にもなっていないが、心を落ち着かせるためにはもっとも有効な手段だったと言えよう。
否、現実から逃避するために--と言った方がいいかもしれない。幸いその夜は熊が襲ってくることもなく、むしろ私たちは近頃増えてきた蚊に対しての不快感を拭うため、翌朝早くにこの場所を出発した。
熊は確かに恐ろしいが蚊はとにかく煩わしい。その後気を取り直した私たちはハイダーという町に向かう。ハイダーはカナダの西海岸でも、アメリカとの国境が複雑に入り乱れている地域のアメリカ側に存在する。
私たちはハイダーがアメリカ領だということも入ってから知ったほどだった。
しかしゲートのようなものは見当たらず、ここに存在するらしいサイモングラシアなる氷河を観るためだった。
私たちが何故このハイダーに来たかというと、バイクで走りながら氷河を眺められるという-ライダーにはこのサイモングラシアは対岸に国道が通っているため、嬉しいポイントだったのだ。
場所によっては積雪で覆われていたりなどかなり危険な代物になってサイモングラシアに続く国道は凍結していたり、いたが、私たちは慎重に慎重を重ねたお陰で何とか転倒だけは免れた山中を抜けて渓谷地帯に入った時だった。


恐怖になるかと思います

できるだけ速度を出さないよう注意深く走行していた私たちが、矢庭に開けた私たちの視界に、巨大な白い物体が入ってきた。
まるでソフトクリームのように溶け出した氷がゆっくりと流れる様私たちは初めて目の当たりにした氷河の巨大さと、子を、後続車が来るのも忘れて停車したまま見入っていた恥ずかしながら私はそれまで氷河というものがいまいち想像できなかったのだが、確かに目の前にあるそれは凍った川と言うよりない自然現象に違いなかった。
や積雪とも全く異なる氷河改めて北上の旅に復帰する。再びカナダ側に戻り、こうして氷河を確認した私たちは、そしてその道中ではどういう訳か8頭もの熊を目撃した感情の見えない虚ろな双眸で私たちを凝視していた。
奴らは決まって国道沿いの木にしがみついたまま、いつの間にか私たちからは初めて目撃した時のような恐怖は失さすがにこれだけの数の熊を目にしていると慣れ始め、われてしまっていた。
果たしてこれはいい傾向なのだろうか。道中ベルⅡというポイントでガソリンの補給がてらコーヒーを飲んでいると、東洋人の男が聞き慣れた,言葉で話しかけてきたもしかして……日本人ですか?
あ、え?はい「うわぁ、日本人のライダーには初めて会いましたよ」「ははは。
そうですか……」この奇特な彼はどうやらこの店で働いているらしい。
この辺りにやたらと熊が出没する理由を聞くことができたここで私は思いがけず彼から、そもそもこの国でもっとも多く熊が出没する地域であり、彼曰く、ちょうどここから200キロほど先辺りまでが、し積んでいた大量の荷物を辺りにぶちまけてしまったらかも運の悪いことに先日この道でトレーラーが横転事故を起こし、処理に困った地元の人間たちは、結局その商品をそのまま山中に埋めてしまっその荷物というのがオヒョウで、たというのだ大量の餌をばら撒いてしまったことになり、お陰で埋められた獲物をつまりもともと多くの熊が生息している地域に、掘り出すために熊たちが続々とやってくる結果と相成ったのである何とはた迷惑な事故だろうか。

お酒の好きなお父さんがいつもあなたの

フランス語で書かれた文字

新しい街に慣れてそこまでは彼も沙汰の外だったらし私は一縷の望みをかけてトレーラーが横転したポイントの詳細を同胞に問うたが、ということまでしかわからなかった。
く、「とにかくこの道はしばらく危険」少なくてもこの先200キロの区間では野営をしないよう促した。
早速私はこの情報をノッチとラルフに伝え、実のところこの時、私たちの注意は全く別のことに向けられていこのように熊の脅威は日増しに増大していたのだが、た。
そう。それは蚊の襲来である。遭遇すればおそらく死に直結するのだろうが、幸い今のところは目撃情報しかない。
一方で襲来確かに熊は危険だし、お陰で私たちは野営どころか休息すらも脅かされるようになっていた。
こちらの方する蚊の数は目に見えて増えており、は既に実害をこうむっているのである大きなものは体長が1センチ以上もある。
カナダの蚊は日本のものに比べても大粒で、身体がでかいというのはすなわち吸血のための針も大きいことを意味し、その太さたるや刺された瞬間に痛みで気づくほどだった。
もちろんその後の痒さも半端ではない。を持ってきていたが、どういう訳か念のために日本からモスキートコイル蚊取り線香インドを経験していた私は、こちらの蚊にはほとんど効果がなかった。
日本人の彼に蚊の情報についても求めていた。私たちはベルⅡを出発する前に、彼は蚊についてはそれこそ如何ともし難いと困っていたが、唯一高い山の山頂ではやってこなかったという経験談を話してくれた一刻も早くこの熊にまみれた地域を脱出することと、さらにはできるだけ高い山地を見つけ私たちは早速その日から、旅を続けることにした。
てテントを張るよう心がけ、ベルⅡをあとにした私たちは、そのまま州道37号線を北上して次なる州ユーコンを目指すカナダでももっとも西に位置する州である(正式には準州といユーコンはアメリカ領となるアラスカ州と国境を接し、この地に数多く地図を見る限り州領の至るところが虫に食い破られたように穴だらけになっているのは、う扱いらしい)。
存在する大小様々な湖のせいだ。